■読む前に心積もりを 好色物のうち、男色(なんしょく)系を中心にしたオリジナル・ダイジェストです。 西鶴の小説(浮世草子)デビュー作『好色一代男』の冒頭にもありますが、当時において好色とは、女色と男色があり、精神美として男色をとらえようとしたそうな。 それゆえ、今読むと西鶴の男色は可愛いもので、現代人には奥ゆかしくさえ感じられるのではないかしらん。
執筆に際しては、「西鶴を全く読んだ事がない人に作品の概要、楽しさを紹介する」ことを前提として書いていますが、前後関係を分かりやすくする為に超訳(かなり強引な解釈)傾向にあります。
また、西鶴が大阪の人なので関西言葉を使って口語訳ができればいいのですが、あいにく私は関東人――江戸前でまいりたいと考えています。
西鶴に造詣の深い方には、「原典への冒涜」という見地を含めご不満もございましょうが、何卒本ダイジェストの趣旨をお汲み取りの上、ご理解を賜りたく存じます。 |