・衆道辞典・
西鶴作品に出てくる(主に衆道に関する)言葉辞典です。
作品によって少しずつ増やしていきます。
説明はすみか風に砕いていますので、レポートなどに
使ってはいけないのです。ご注意を。
(参考文献『対訳西鶴全集6 男色大鑑』明治書院)




【あ】
あにぶん(兄分)−若衆を可愛がる方。攻め。
おとこになる(男になる)−元服して前髪を落とすこと。
 その後は兄分となって若衆を可愛がる。
おとぎ(御伽)−寝室にはべること。主君の夜の友。
 ただの話相手の場合もある。
  また「御伽小姓」は幼君の遊び相手をする小姓のこと。
【か】
かぶきこ(歌舞伎子)−歌舞伎に出る少年俳優。
 かげで男色を売った。=舞台子。歌舞伎若衆。
こども(子ども・子共・子供)−若衆のこと。
こごしょうぐみ(児小姓組)−元服前の少年で、主君に仕え、
 雑用・警護にあたる小姓の組。皆がお伽していたわけでは
 ないのです―残念!^-^;
【さ】
じゃくしょく(若色)−男色のこと。
じゃくどう(若道)−衆道のこと。
 例:「若道ぐるい」男色に狂うこと。
じゃくどうのちかいのしるし(若道の誓いのしるし)−
 心変わりしない誓約のため小刀の先などで腕や股を突いた。
じゃくれん(若恋)−若道の恋。
しゃっけい(若契)−若道の契り。男色関係。
しゅさかり(衆さかり)−若衆盛りの美形。
しっゅけ(出家)−俗世を捨てて仏門に入ること。
しゅどう(衆道)−男色の道のこと。
しゅどうのちぎり(衆道の契り)−情を通じること。交わる。
 つまりやっちゃったってこと(ポッ)。
しょうじん(小人)−少年のこと。
 「小人閑居して不全を為す」の「小人」は愚か者のこと。
すみまえがみ(角前髪)−元服前に前髪の生え際を
 角に刈り込むこと。半元服。凛々しいイメージになる。
【た】
・たておやま(立女形)−一座の筆頭の女形。
ちご(稚児)−寺小姓。公家・武家・寺院などに召し使われ
  た少年。男色の相手方である少年。
  稚児小姓、稚児若衆も同じ。
・とびこ(飛子)−諸国を回って男色を売る若衆。
 旅かせぎの陰間。
【な】
なんしょく(男色)−男色(だんしょく)。 男の同性愛。
にせいのけいやく(二世の契約)−
 「生まれ変わっても一緒さ」と誓うこと。
ねんえん(念縁)−念者との縁。男と男の濃ゆい友情。
ねんごろする(念此する)−男色の契りを結ぶこと。
ねんじゃ(念者)−男色関係の兄分。⇔若衆
ねんじん(念人)−念者に同じ。
ねんやく(念約) −男色関係を結ぶ約束。
ねんゆう(念友)−念者に同じ。または男色関係。
【は】
びしょう(美児)−美少年のこと。
・ぶたいこ(舞台子)−舞台に出て歌舞をする若衆(少年)。
  かたわらで売色もした。
ふりそで(振袖)−現在では女性しか着ないが、
 当時は少年も着用した…ほほう♪
【ま】
まえがみ(前髪)−元服前のこと。元服すると前髪を落とす。
 すなわち少年であることを指す。
まえがみざかり(前髪盛り)−美少年ざかりの時期。
まるそで(丸袖)−袖の下部に丸みをつけた成人用の衣服。
 なんとなく可愛いので元服直後の若者に着せたい。
【わ】
わかしゅ(若衆)−1,元服前の前髪のある男子。少年。
             2,男色を業とする若者。陰間。
             3,歌舞伎の若い役者で、売色もした。
             いわゆる受け。
             4,男色関係にある少年。⇔念者
わかしゅぐるい(若衆狂い)−男色に溺れること。
わかしゅざかり(若衆盛り)−若衆の最も美しいさかり。


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